生きることは何でも意図通りにはいかないもの。
昨日はインフルエンザのせいで伸び伸びになっていた妻へ日帰り旅行のホワイトデープレゼント。
やっと二人揃った時間がとれたからと、日本一の桜と名高い奈良県の吉野山へ。
以前から、一度自然に囲まれた吉野へ旅に行きたいと言っていた。
普通花見と言えば、桜の木の下でワイワイやるもの。
吉野山の桜は違う。
3万本の桜が植えられた山肌を眺める壮大な花見。
当日、現地への特急列車が出ているので、駅に行ってみると、
「午前中は満席です」
この時期は混みあうと聞いていたものの、列車に乗れない程とは…
駅員の言葉に驚く二人
仕方なく、もう少し時間がかかる急行列車にて現地へ
これで既に30分の時間ロス
しかも、停まる駅で毎度ドアが開きっぱなしの車内。
下半身から徐々に身体が冷えて、吉野駅に着いた頃には外に出るのが辛い程…
外に出るとまるで冬に戻ったような冷え込み
そもそも山に向かうのだから、暖かい格好をしていけば良かった。
しかもこんな天気になることも予想できず…
行く前から、「温泉でも入りたいね」と言っていた妻。
冷え込みが強いこともあり、なんとかそれを実現させてあげたい。
その前に空腹と冷えた身体をなんとかしようと、通りすがりのうどん屋へ。
うどんが予想外に美味しかったので、暖かさと共に救われる。
その後、ブラブラと歩きながら私の好きな鮎の塩焼きを串で出している店を発見。
道端でそのままガブつく。
しかし、そんなところで道草をくっているうちに、帰りこそ特急に乗りたいからとなんとかとれた早い時間の予約のせいで、温泉は断念。
そうこうしながら、今回の目的地、二つの千本桜が咲き誇る景観台「一目千本」へ到着。
柔らかな、ふわふわした色の桜で埋め尽くされた山肌。
冷えた身体に、感動が心を温める。
この景色は本当に良かった。
実際に見てみると、壮大さよりも柔らかさを感じさせてくれる。
景観台のある世界遺産・吉水神社の庭も美しく、そこで一枚撮影。
その後、せめて少しゆっくりできるようにと入った宿坊のおしゃれなカフェ。
しかし、それがまたあだになって時間をくい、帰りの時間が迫っているので腰の痛い妻とダッシュ。
人が多過ぎてうまく進めない。
やっとのことで山の麓の駅に通じるロープウェーに到着。
しかし、そこでも再び長蛇の列。
それを予想してなかった為に、せっかく予約を取った特急列車には間に合わず…
結局帰りも、駅に着くたび開きっぱなしのドアでとても寒い急行列車…
吉野山をなめていた
そもそも遅くなってしまったにも関わらず、とても悔いの残ったホワイトデープレゼント。
せめてもの救いは、桜がそんな心も受け止めてくれるくらいの柔らかな面持ちを見せてくれていたこと。
そんな吉野の繊細な色合いを思い出しつつ、自分も妻に対してそんな繊細さを持とうと、リベンジを誓う。
その気だけでは満たせない。
いつまでも味わえるわけではない大切な人との大切な時間。
もっと大事に使っていこう。
「でも楽しかったね!ありがとう!」
そう言って笑ってくれた妻に感謝した吉野山紀行でした。